
今考えたら絶対アウトな話を思い出した。
顧客への決済資金として現金を持ち出すなど今ではあり得ないが、当時は普通だった。
仮名・借名取引(=「手張り」)口座で、ノルマのため損して売った株の売却代金を総務次長決済の下、出納係で現金持ち出し、営業カバンに詰める。
「お客様に受け渡しに行ってまいります!」
という体だが実のところ、自分の銀行・信販口座に返済するのである。
友人名義の印鑑は営業カバンに持ち歩き、受取りサインは自筆がバレないように書いた。
当時は現金受け渡し後の帰宅も自由だった。
ある日会社の別支店メンバーたちとの同期会で、この「手張り」決済金が入った封筒が営業カバンに入ったまま、飲みに参加することになった。
宴の興が乗り2次会、3次会と続き、財布にある金では支払いきれなくなった。
営業カバンには、自分のローンカードで借りた「友人名義の決済金」が会社封筒に入っている。